永井するみ/カカオ80%の夏
うむ。出来は良いのだろうし、少なくともだれることもなく読み終えたのでまずは問題なし。……しかし、これはおれに読まれるべき小説ではないような気がする。
云うまでもなく、登場人物に共感したりその思考にコミットしたりすることは、小説を読む目的として唯一〈正しい〉とされるべきものではない。しかし小説をそれに最適化してデザインすることは可能だし、この作品はそのように書かれたものではないかと思う。そのうえでおれはこの作品を届けられるべき人間ではないと。
まあ、なんていうか、云ってしまえば顔がいい人たちの物語だしねえこれ。
- 作者: 永井するみ
- 出版社/メーカー: 理論社
- 発売日: 2007/04/01
- メディア: 単行本
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