歴史は繰り返す、のか

先日引用したテキストにはこういう箇所がある。

 しかし、いつまでも“黄金時代”は続きません。昭和30年代末からブームに陰りが見えてきます。「ミステリー・ブームはさまざまな作家を生み出し、あたかもブラック・ホールのように貧欲に作品を飲み込んでいったが、それはミステリーとしての特殊性を薄めていくことにもなった。ミステリーの拡散化がブームの終焉を導こうとしていたのだ。」(『日本ミステリーの100年』1963年の項)この当りの事情は、1970年代〜80年代にかけてのSFブームの拡散と終焉に似ていますね。《宝石》が廃刊した昭和39年から昭和40年代の前半は日本ミステリの沈滞期といえそうです。

http://www.asahi-net.or.jp/~JB7Y-MRST/YUT/SP/FUYU02.html

いまミステリというジャンルに危機が訪れているするならば、まあこういうことなんじゃないですか。というか、読めば読むほどここ数年のことを書いているとしか思えなくなってくる。