真行寺のぞみ/血まみれ学園とショートケーキ・プリンセス

どう見てもライトノベル界の「CANDY」です。本当にありがとうございました。

……が、おれとしてはこの作品をまったくのゴミとして切り捨てようとは思わない。というのも、一時間弱で読めるこの小説のネタを、その数十倍の時間を費やして大真面目に繰り出す某ゲームのことを思い出すからだ。いくつもの物語が後生大事に抱えるものをこの小説は虚無感を覚えるほどの速度で消費していく(鯨統一郎にもそういうところがあるわな)。

それが偶然が意図的かはわからない。高校生というプロフィールが本当なら前者だし、偽なら後者。

後者だとしてそのための方法論にこのようなスタイルが用いられた背景には、1994年という時代が影響していると思う。