グレッグ・イーガン/しあわせの理由

…………あれ? 期待したほど面白くなかった。
ようは、解説とかにあるように、どの作品もすべてアイディンティティも変貌――あともどりのできない感じ――を取り扱っているのであって、別にそんなのは期待してなかった。こっちはSFのガジェットを背景にした物語のダイナミクスが欲しかったのであって、そんなしんみり収まるところに収まられてもなあ、というのが正直なところ。そういう意味で「道徳的ウィルス学者」がいちばん面白かった。