花輪和一刑務所の中」を読んだ。本屋に行ったら文庫になっていたので衝動的に購入してしまった。非常に面白い。早く出たいと願いながらも、中の生活が日常へとなっていくさまの壮絶なリアリティの素晴らしさたるや。

刑務所の中 (講談社漫画文庫)

刑務所の中 (講談社漫画文庫)

登龍門枠で「持ち主Xの容疑」という深夜特番をやっているのだが、タイトルが気になる。パロディなのか? しかしそれなら「容疑者Xの持ち物」で良くないか?

結局最後まで観たけど、ゲームとしてはほとんど破綻している=メタな読みが可能になってしまっているよなあ。時間を長くするか、人数を少なくするか。

あと、いつも「ドキュメント・ナウ」の画質の悪さも気になる。

さて、本を読むか。

チャールズ・ブコウスキー「くそったれ! 少年時代」を読んだ。時期が時期なら、人生が変わったかもしれないと思ったが、ま、変わらなかったかな。いずれにせよ、オレはもう手遅れで、もう手には何も残っていない。何もない。もうだめだ。

少年時代について書かれたパートは、なんというか、人間を何人か集めて、その幼少期の最低の思い出を総結集したような感じだと思った。それだけにある程度のリアリティを感じてはいたのだが、しかしどこか遠くの出来事のように感じていた。まあ、本当はそうでもなかったのだろうが。

だが、いったんスーパーに就職するあたりからの描写はほんとうにしんどかった。そこには今オレが抱えている不安が具現化したすべてがあった。そしてそれらと主人公は彼なりのやり方でぶつかっていくのであって、翻ってオレはといえば結局何もかもに従属していくしかないのだ。何でもかんでも自己に結び付けたがるのは悪い兆候です。

くそったれ!少年時代 (河出文庫)

くそったれ!少年時代 (河出文庫)