フォーン・ブース」を観た。面白かった。確かに面白かったが、それはなんというかこのアイディアさえあればこのくらいには面白くできるだろう、という最低ラインのものではないか、という気もする。改めて考えると不満点は多い。冒頭二十分以上経つまでえらく退屈だったり、ラスト近くの主人公の行動が馬鹿すぎたりするし、あれだけサスペンスで盛り上げておいて、落としどころは結局そんなところかよ、というところになってしまうし。

いまふと、「小説の自由」の背を見て思ったのだが、この本を真正面から肯定する人と、真正面から否定する人の対話を聞けば、どうもあいまいな自分のこの本に対する態度も自ずからはっきりしてくるのではないだろうか。まあなんにしてもそうなのかもしれないが。