島田荘司/リベルタスの寓話
最近の島荘の作品はほとんど読んでいなかった(というか、そもそもハインリッヒが語り手の作品をはじめて読んだ)が、いや、面白いじゃん。気合入ってるなあ、と思った。特に「リベルタスの寓話」は濃い。トリックもキレていて良いし、なおかつ全体に仕掛けられたトリックが、作品で描かれるテーマを補強する構成になっているのはなかなかすごい。MMOをあれだけ前面に押し出してこれだけか、と思っていたので意表をつかれた。あと、これ昔からあったのか記憶にないんだけど、特に「クロアチア人の手」で調査の最中にやたらだらだらした会話がえんえん交わされるところがあって、なんか和んだ。いいね、こういうの。
- 作者: 島田荘司
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2007/10/06
- メディア: 単行本
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