「赤石沢教室の実験」感想リンク集

「魔女を忘れない」感想リンク集
あと、著者自らこういったことをしている例としてこれがありますね。

魔女を忘れないための感想リンク集は、どうやらある種のベクトルに沿っている感想ばかりが、恣意的に集められているように思います。これはおそらくid:megyumiさんが共感できたタイプの感想を集めたからだと思われます。しかし、たとえば『魔女を忘れてる』を駄作だとバッサリ斬っている感想が引用されていたらどうでしょうか。一気に深くなるような気がします。すべてのひとが面白いと思ったわけではない、すべてのひとが恐いと思ったわけではない、こういう感想があれば、こういう感想もある。複数の視点を混在させ、作品を多角的に読む。それが他人の感想を引用してしまう感想リンク集には可能ではないでしょうか。

http://d.hatena.ne.jp/sinden/20070724/1185283173

というわけで、わりと感想が割れていると思われる作品で同じようなことをしてみた。引用すること自体、もしくは引用箇所に問題があると感じる方は何らかの手段で連絡していただければすぐに対処いたします(僕はこの作品を本格ミステリ/サイコパズラーとして、著者が持っていると思われる問題意識とその方法論を評価しているので、その意識にのっとって引用部分を決めています)。僕の感想はこれ

得られるスリルとサスペンス、恐怖はなかなかのものだし、いろんなものを詰めこみすぎてなにがなにやらよくわからない、読んでいてイヤな気分になる結末も悪くない。

http://d.hatena.ne.jp/p17n/20070707/p1

「赤石沢教室」を巡る学園騒動ものになるのかと思ったら、ぜんぜん違いましたね。片桐あきらが自殺したのは、赤石沢教室の実験によるものだったことを知った者の復讐物語でした。しかもサスペンスものかと思ったら、本格ミステリーでしたよ。あー、やられた。見事にひっかかった気分でいっぱい。

http://www.booklines.net/archives/4829176466.php

とはいえライトノベル色(ってなんだという話もあるけれど)を除いたことによって一般層にも受け入れられる余地が生まれたという点で、今後に期待が持てる。わかりやすい比較対象としては、綾辻行人『緋色の囁き』が割りと近いんじゃないだろうか。

http://d.hatena.ne.jp/kiseu/20070708#p1

それにミステリとしてはそれほど期待していないつもりだったのだけど(私はミステリ作品とは相性が悪いし)、最後のオチというか謎解きはやはりいまいち盛り上がれなかった。

http://d.hatena.ne.jp/alleine03/20070715#p2

2/3以降は先が読めてしまいました。
総じて良くできてる感じはしましたが。。。

http://d.hatena.ne.jp/moguriso/20070716#1184578475

だけど肝心のミステリ・ネタは一本で、わかってしまったらおしまいという感じが否めない。豊富な伏線やら他の小技との組み合わせという余裕の無さに、プロパーとの違いを感じてしまったのは、期待感の裏返しなのだろうな。

http://d.hatena.ne.jp/tsuki0214/20070721#p1

350枚くらいで丁度良いようなネタを、その二倍以上(?)の長さを使って書き上げてしまった作品。頑張ってほしい書き手ではあるが、本書に対する個人的な評価は低い。

http://d.hatena.ne.jp/Judastree/20070722/p1

ライトノベル作家のようなので、自分のような中年のキワモノマニアがここで感想を書いたりなんかしたら、六十年代生まれのオッサンがこういう作品について語る資格なんかないんだよ、笠井先生に言いつけるぞ!とかいわれそうなんでアレなんですけど(爆)、素晴らしい作品で新本格を讀んできたオジサンオバサンも十分に愉しめる一冊、ということで取り上げてみたいと思います。

http://blog.taipeimonochrome.ddo.jp/wp/markyu/index.php?p=1275

しかしながら「赤石沢教室の実験」も、ミステリー作家の有栖川有栖が推奨するだけあって、ミステリーとして大人向けの完成度を持っているし、人間という存在の奥深さ、複雑さ、傲慢さ、脆弱さも描かれていて、学ばされる。

http://www.asahi-net.or.jp/~wf9r-tngc/akaisizawa.html

……こんな大量の“?”が途切れる事無く怒涛の如く押し寄せてくる。仕掛けがあるのは分かっているんだけど、私はあんまし深く考えない質なので結局「してやられた!」みたいになって、それでも充分納得満足なデキでした。

http://www.side-one.jp/reviewrog/rog07-07-2.htm#akaisizawa

見事な本格ミステリでございます。綾辻信者の自分ですが、大満足。あぁ、買って良かった(しみじみ)

http://book-getsuki.seesaa.net/article/48875548.html

真相が明らかになるにつれ、以前のページに戻って読み直し確認し、「あー、なるほど、だからこういう描写だったのか!」と納得すること数度(後半には読んでいて引っかかる部分も結構あったのですっきりしました)。たいへん楽しませてもらいました。また最初から読み直してみようと思います。

http://hibiki.vis.ne.jp/DD/log/200707.html#eid349

元々のこの作者さんの特徴でもありますが、ライトノベルの変則性や刺激と精緻なミステリ要素が良いバランスで盛り込まれ、幅広い層の鑑賞に堪えると思います。

http://www.eonet.ne.jp/~crow20/book298.htm

文庫よりもちょっと重く、あと、ちゃんとミステリをしよう、という意志の伝わってくる作品だったように思う。

http://kuwane.tomangan.org/cgi-bin/hns-lite/?200707a#200707052

途中まで一体何をやろうとしてるのかイマイチ分からず、これはもしかすると久々に驚かせてくれるかとドキドキしたのだが、そこまでのサプライズはないものの、裏の裏の裏をかこうとするあまり、ある意味もはや(論理的にもドラマツルギーとしても)誰が真犯人であっても構わないという開き直った事態に突入して久しい現今のニューロティック/乖離系ミステリの、ひとつの帰結、と読めなくもないような。でも出来れば道尾秀介ぐらいスマートにやってほしいですが。

http://unknownmix.exblog.jp/5889642/

実験的なミステリ作品として読まれるのが普通だと思う。ただその本質にサイコサスペンスならではの巧みな設定と演出があり、その演出がこの実験作品を裏側からがっしりと補強している。歪んだ感覚を植え付けられてしまった人間描写が凄まじく、その凄まじさが悲惨な事件を奇妙なかたちで説明している。サイコと本格との奇妙なる融合にして、作者の周到な計算が印象的な作品。

http://www.h4.dion.ne.jp/~fukuda/hon.htm