イタロ・カルヴィーノ/柔かい月

結局ライオンはどうなったんですか!!(バカっぽい発言)
なんて云ったらいいのか、たとえば唐突にC言語ソースコードでも読まされたらこんな気分になるのではないかというか。そう、なんかこの書き方はプログラムっぽいと思った。可能性の検討。
そら正直しんどかったが、だがそれに見合うほどの価値があることはなんとかわかる、それを受け入れるだけの器をおれは持っていないけど。気に入ったのは比較的わかりやすいと思われる「追跡」で、全体に云えることでもあるが、無機質で突き放したような書きぶりかな滲み出る一片の叙情が良い。
しかしまあ、アレだよね、小説のあらゆる可能性はやはりもう書き尽くされているんだと思い直す。書き尽くされたのちに、私たちはそのうえでさらに何を書きうるのか。

柔かい月 (河出文庫)

柔かい月 (河出文庫)