「太陽」
うへえ。こんなに断片的かつ観念的な映画だとは思わなかった。ちょっと適当に感想を書き散らすのが躊躇われる。
特に冒頭のほうに、これなんてコントって感じの笑わせどころともとれるシーンがあって、なんだろうこれと思いもしたが、見終わって考えると、これは「ずれ」の物語なのではないか。「ずれ」は笑いの基本だから、そういうことになるのは当然だし、イッセー尾形が用いられるのも当然すぎるくらい当然だ。出会う人間と発生し続ける「ずれ」を解消するために昭和天皇は神という立場から降りて人になろうとするわけだが、録音技師の自決によってその目論見はあっけなく破られる。そう考えるとあれは紛れもなく「オチ」なんだよなあ。佐野史郎演じる侍従も同じ立場になったら自決するのだろうし、いや実際彼は、ラストシーンのあと自決したのかもしれない。
長々と書いたのでいかにも感銘を受けたように思われるかもしれないが、前半はずっと寝そうだったことは付け加えておく。
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