服部正/影よ踊れ

うわあ、なんだこりゃ。ホームズのパスティーシュなのだが、すげえ変。なにしろ連作短編の冒頭からいきなりドイルとホームズが対面するのだから。起こる事件も幻想小説がかった奇妙極まりないもの*1だし、それと平行して描かれる、ドイルとその父の物語とホームズとワトスンの物語が交錯するなかで現実と虚構が混じりあっていくさまはまさに異形。いやあ、これは妙な小説を読んだ。あえて文庫化を希望。

*1:見方によってはバカミス