大森望「現代SF1500冊 乱闘編」を読んだ。あー。そりゃそうだって話なんだけど、別に値が高いからといって難しかったりするわけじゃないんだよな。ここ最近読んだ本ではもっとも速く読めたかもしれない。いちばん読みたくなったのは「鉄塔 武蔵野線」。すげー面白そう! あと、初期の尖った大森望にびびった。相次ぐ罵倒! 「面白くないこと以外は解説に書いた通り」って!

現代SF1500冊 乱闘編 1975―1995

現代SF1500冊 乱闘編 1975―1995

北野勇作「かめくん」を読んだ。良かった……。なんていうか、良かった。これだけたくさんの、使いようによってはどうにでもできるSFガジェットを用いながら、あくまで日常のなかで物語が閉じていく四章では、寂しさに似たなにかが膨れ上がっていくようだった。もし僕が物語で泣くとしたら、こういう物語においてだと思う。

かめくん (徳間デュアル文庫)

かめくん (徳間デュアル文庫)

二階堂奥歯「八本脚の蝶」を読んだ。最後の月、堰を切ったように彼女のなかから溢れた、それまで読んできた書物の引用は何を物語るのだろうと考えてみる。答えは出ない。

八本脚の蝶

八本脚の蝶