合宿日記/1日目

四十分ほど前に集合場所に行くと誰もいない。することもないのでそのままコンビニに行く。「ダ・ヴィンチ」が出ていた。特集は「ライトノベル読者はバカなのか?」背筋がかゆくなる。中を見るとおねえさんが桜庭一樹とか秋山瑞人を読んでいた。あげく高圧的な態度で「なかなかいいじゃない」などとほざいているのでうっかりお前らは読まなくていいなどという差別発言をかますところであった。

戻るとちらほら人がいたので、読みかけの中町信「模倣の殺意」の残りを読んでしまう。ほかにも六七冊未読の本を持ってきており、暇なときに一二冊は読んでおこうと甘いことを考えていた。そうしているうちに人が集まり始める。ジュースを買おうと自動販売機に行き、帰ろうとすると大量の一年がこちらへ向かってくる。もしや反乱ではないだろうかと思い、はたしてどちらにつくのが得策だろうかと考えたが、コンビニへ行くらしい。ついていく。しかし特に買うものはなかった。結局コンソメダブルパンチを購入。

模倣の殺意 (創元推理文庫)

模倣の殺意 (創元推理文庫)

戻り、点呼のあと、バスに乗り込む。長い時間バスに乗り込むのは久しぶりだったので不安だったが、特に何もなかった。背後でこの時期は夏厨が多くて困る、といった会話がなされていたのが印象に残っている。そうこうしているうちに談合坂サービスエリアに到着する。人大杉。まともに食えそうになかったので、おにぎりを三つ購入し、バスで食す。排気ガスがよいスパイスになっていた。わけねえだろ。

その後はよく覚えていない。気がついたら到着していた。

早く着きすぎたようで駐車場に放置。何をしていたか覚えていない。そのうち入れというので建物に入る。広い。めちゃくちゃ広い。あふれる歓喜。天井で何か回っている。ぐるんぐるん回っていた。しかししばらくはしゃいでいると「貴様ら野郎が広い部屋を使って、乙女が狭い部屋とはどういうことだ、交換だ交換」という主張がなされ、建物を交換することに。狭い。萎える。

とりあえず持ってきたワードバスケットをテーブルの上に放置しておくと、Chloe先輩とM山先輩が目をつける。ちゃっちゃとルールを説明し、T谷(だったかな?)と四人でゲームを始める。非常に好評であった。まさかこれが今合宿におけるワードバスケット旋風の幕開けであろうとは、このとき知る者はひとりとしていなかったのである。

郷愁にかられ戻ってテレビをつけると郵政民営化法案が否決されていた。元男子棟のテレビは大きいのだが、写りが悪いのが難点であった。その点では狭い現男子棟の勝利であった。さらになんだか集合させられ、買いだしに行く者は行けという号令が出される。この日の買出しは俺であった。

というわけでいくつかの車に分乗しダイエーのパクリみたいなスーパーへと向かった。買出しなどをするのは初めてであるし、料理方面にはまったくの無知であるため、事前にかなり詳しく買出し内容を聞いていた。そのためただ買い物をすればよかっただけなのだがそ、それすらずいぶん苦労した。何しろじゃがいもを三分ほど探し回っていたのである。大変であった。なんだかいろいろ買い込み、外で上級生を待っていたのだが来ない。なんと買いすぎてえらいことになり、援軍を必要としているらしいのである。自分は舞い戻った。しかしあまりすることはなかった。荷物を持って帰ったのだが、非常に重かった。

戻るとすぐに調理が開始された。自分は買出しから帰ってきたばかりだというのにいろいろしてさらに疲れた。覚えている限りでは。ジャガイモの皮を剥いたり、水をはかったり、阿呆のようにかき混ぜたりした記憶がある。大変重労働であった。(ええええ!ジャガイモってナス科なの!?

しかし幹事長、さらに先輩方のすばらしいカレーが誕生した。ルーの選択のセンスはひとえに自分の勝利といえよう。いや、本気で旨かった。さっさと食い尽くした自分の愚かさは悔やまれる。さらにドレッシングを振り忘れ、油をサラダにかけてしまったことも悔やまれる。

食後は読書会であった。まったく節度というものを考えずに、えらそうにソファに横になりながら口を挟んでいた。知識豊富な先輩たちがガンガン発言するし、自分の発言も即座に否定されたりするので、一年読書会に比べてもやはりこちらのほうがスリリングだと思う。ちなみに、人外魔境と天外魔境をさくっと間違えたのは自分である。

たったいま合宿の写真のウェブアルバムを見たのだが、自分の映ってなさにびっくりである。

読書会のあと、コンソメダブルパンチ開封し、うだうだとしゃべり、ぐだぐだ解散し、なんとなくミスタードリラーに参加する。その後はよく覚えていない。この日はさっさと寝床に移動した気がする。寝床では、非常に性質が悪い人となったT谷が印象的であった。